今日の一枚の絵 第192回

現代美術ばかりやと偏ってしまうので、たまには古典に戻ってバロック絵画なんてネ…。
いやはや、似合わん、お茶碗、K1、F1、台湾、サーティ・ワン♪ でありんす。
(*´ω`*)。oO。oO。oO ドモドモドモッ

本日の画家はジョルジュ・ド・ラ・トゥール(George de La Tour 1593~1652)17世紀前半フランスのロレーヌ地方で活躍した画家です。聞いた事あるでしょ!?

あの闇の中にうっすらと浮かび上がる、微かな蝋燭の光りと独特の静謐さを讃えた絵画『悔い改めるマグダラのマリア』とかで大変有名になりました。「夜の画家」とも称される孤高の画家でもあります。

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…って言うと大変聞こえはイイんですが、誰も追従しようとしなかった。
おっそろしいほど傲慢な上、ムカつくほど性格が悪かった。守銭奴やし!

ゆえに美術史からも完全に黙殺され、今世紀初頭になるまで全く光りも当たらんかった。
まさに「夜の画家」やったのでごじゃります。(^_^;)

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絵画史上コレほど最低の人間性も珍しいです(ハッキリ言って人間のクズ!!!)。描かれた絵の崇高さ?と描いた人間のモラルの低さの恐ろしいギャップ。醜聞が絵よりも話題になる困ったチャンです。

「アチキはハッキリ言ってキライでありんす」(-。-)y-゜゜゜

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やってることが非常に下劣で傲慢で、狡猾っていうよりも俗悪の類です。飢饉の最中でも己の倉庫に食料を溜め込み、それを高値で売ろうとする輩です。

売った絵の代金が貰えぬと直ちに訴訟を起こし、その家の召使を借金のカタに奪ってきて給仕させたり、あげくの果ては蹂躙したり…。

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金は持ってる癖に、お上の税金は一切払わない。権力をカサに他人の農地を荒らし回ったり、咎められると逆ギレして、銃はぶっぱなすわ、殴打するわ…。

さすがに神様も見るに見かねたのか天罰を与えました。( ̄ー ̄;

妻や子供を次々ペストで命を奪い、やがて本人もペストで死亡。作品も大多数はその後の戦災で消失し真作は限りなく少ないです。でもたまたま生き残った息子(画家)はかなり性格も良かったようです。

悪業三昧を尽くしたラトゥールの遺産の一部を召使に与えたり、顔面を殴られ大怪我した村人には見舞金や過分な慰謝料も支払ったようです。もっとも彼の絵のほうは全く評価もされませんでしたが…。

当時のフランス画壇はニコラ・プッサンの古典主義が圧倒的な主流やったのに、どうしてラトゥールがあのようなバロック絵画を描き続けたのか?

シルフちゃん的に大きな疑問やったんですが…。

最近わかった情報によると、ロアーヌ地方の画家が大挙してイタリア旅行してる記録(1616年)が見つかったそうです。多分、イタリアに行きどこかの工房で修行を積んだのでしょうね。
おそらくカラヴァッジオの絵もROMAあたりで見たのでしょう。

先日東京の西洋美術館だったかがラトゥールの絵を購入したらしいですが、ハッキリ言って勿体ない。人間性は別にしてそれほどラトゥールの絵画って美術性は高くありません。

近い将来きっと忘却されるでしょう。美術品っていうのは最終的にイイものしか残らないのです。

ちなみにラ・トゥールの名を冠した美術館が画家生誕の地、ヴィック=シュル=セイユ(Vic-sur-Seille)に出来たらしいです。

↓参考のWeb Site
http://ot.vic.et.marsal.pagesperso-orange.fr/cibles/mus%E9e_gdlt/gdlt.htm

最低のヤツでも歴史に名は残る…? 「才能」って大事なんやねぇ。
┐(-。ー;)┌


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