今日の一枚の絵 第64回

やぁやぁやぁ♪
本日の一枚の絵は葛飾北斎の娘(三女)、お栄こと葛飾応為(かつしかおうい)の作品です。
北斎から「お~い、お~い」としょっちゅう呼ばれていた為、画号が応為となったのはつとに有名です。

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葛飾応為『吉原夜景図』一幅、紙本著色。東京都太田記念美術館所蔵。

当時の夜景風俗画としては画期的です。誇張した明暗法と細密描写に優れた絵はまさに和製レンブラント、和製ラトゥールと呼んでも差し支えないぐらいの力量です(笑)

北斎にして美人画を描かせたら、お栄には勝てないと言わしめたぐらい抜きん出た画力の持ち主で、離縁された原因も絵師であった夫(南沢等明)の絵の拙さを笑ったからだとか。

作品の残存数が10点余りと極めて少ないですが、北斎の代わりに代筆で描いた枕絵や美人画もかなりあったと思われます。「北斎」の名で売った方が高く売れたからなんだとか(笑)

裏を返せば北斎と違いが見分けられないぐらい絵の達人やったちゅうことです。  (-。-)y-゜゜゜

杉浦日向子のコミック『百日紅(さるすべり)』を読めば、北斎とお栄の性格や関係がよくわかって面白いです。

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お栄は北斎に性質が似ていて男児のような性格やったようです。

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任侠の風を好み、清貧を楽しみ、父同様に掃除嫌い。一切の家事はせず食事は全て煮売店から買う竹包み弁当(今でいうホカ弁のハシリ)。部屋の中はその包みの山やったらしい。

酒を飲み煙草を吸い北斎が描いた絹本の絵に煙草の吸殻を落としたりして大目玉を食らったことも…。
それでも煙草は止めなかった。

北斎の死後、仙人になると言って旅に出たらしいですが(その後は消息不明)…。このあたりも北斎と似て実にアウトローで無頼な絵師やったみたいです。

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2010年にカナダの女性作家 Katherine Govier が応為を主人公にした 『The Ghost Brush』 という小説を出版。おかげで広く海外でも知られるようになりました。
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